論文
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No. 発表論文の標題 掲載誌名 論文誌種別 単著・共著区分 巻号頁 出版日 著者名 ISSN DOI 概要
1 [資料紹介]京都女子大学図書館所蔵『好色安万於布禰』
『国文論藻 京都女子大学大学院文学研究科研究紀要』(京都女子大学大学院文学研究科国文学専攻)
大学・研究所紀要
単著
16, 21-39
2017/03



従来未紹介であった京都女子大学図書館所蔵『好色安万於布禰』(貴重書)について分析し、江戸時代の元禄頃に刊行された浮世草子の艶本(えほん)であり、京都の浮世絵師である西川祐信作画の艶本と取り合わせて保存されていること、養生書『黄素妙論』の影響を受けていること、挿絵が、江戸の浮世絵師である菱川師宣の画風と類似していることなど、近時注目されている江戸時代の艶本の研究において意義深い書であることを指摘した。
2 [資料紹介]京都女子大学図書館蔵『絵本双乃岡』ー元文二年版・西川祐信画『つれづれ草』出版史における一形態ー
『国文論藻 京都女子大学大学院文学研究科研究紀要』(京都女子大学大学院文学研究科国文学専攻)
大学・研究所紀要
単著
15, 93-108
2016/03
正木ゆみ


京都女子大学図書館の新収本『絵本双乃岡』(図書館の登録名)を紹介するとともに、その出版年や版元なども推測し、元文2年(1737)版『つれづれ草』に表紙見返しを付けて出版した版元の意図について検討を加えた。検討の結果、京女大本『(見返し付)絵本双乃岡』は、菊屋から出版された元文二年版『つれづれ草』の出版史における新たな一形態を示す本であるとともに、祐信作画本の息の長い人気と、祐信作画本をより多くの購買者に宣伝しようとする版元の意図をうかがい知ることができる貴重な資料であることが明らかになった。
3 『出世景清』第二段「清水寺轟坊の場」注釈再考ー双六用語の秀句における近松の工夫ー
『女子大国文』(京都女子大学国文学会)
学術雑誌
単著
156, 1-27
2015/01
正木ゆみ


近松門左衛門の初期の代表作『出世景清』における主人公、平家の残党景清が、敵との奮戦の場で語る盤双六用語の秀句について、従来看過されてきた同時代における流行状況と、幸若舞曲『富樫』のイメージの取り込みを指摘し、表現に凝らした近松の工夫を探ったもの。
4 [資料紹介]京都女子大学図書館蔵『都の花笠』ー享保五年正月刊『[役者三蓋笠]』京之巻の原題簽の出現ー
『女子大國文』(京都女子大学国文学会)
学術雑誌
単著
154
2014/01
正木ゆみ


京都女子大学図書館蔵『都の花笠』が、享保五年(1720)正月刊の役者評判記『[役者三蓋笠]』京之巻であり、従来知られていた諸本にはなかった原題簽を備えていることから、資料的価値があること、また、本書の発見により、江戸之巻、大坂之巻の原題簽の題名も推定できる可能性があることを論じたもの。
5 「岡田左馬之助といふ風流者」考ー『男色大鑑』巻七の五における工夫(二)ー
『上方文藝研究』(上方文藝研究の会)
学術雑誌
単著
10, 32-43
2013/06
正木ゆみ


西鶴の浮世草子『男色大鑑』巻七の五の前半部について、従来、十分になされていなかった、本文の細部の表現や設定について検討していくという作業を通して、歌舞伎若衆岡田左馬之助との堺の浦での散策の楽しさを盛り上げるための演出や工夫について論じたもの。
6 「一閑坊の案内」考(補遺)-『男色大鑑』巻七の五における工夫-
『上方文藝研究』(上方文藝研究の会)
学術雑誌
単著
9, 80-83
2012/06



すでに発表した「「一閑坊の案内」考-『男色大鑑』巻七の五における工夫-」(『上方文藝研究』7)の補遺として、「一閑坊」こと衣笠一閑の俳諧師としての活動について補足を加えた。
7 近世文芸と住吉社-近松浄瑠璃『天智天皇』を例に-
『儀礼文化』(儀礼文化学会)
学術雑誌
単著
43, 42-51
2012/03



従来の住吉社研究では、西鶴に比して余り注目されてこなかった近松の浄瑠璃を取り上げ、元禄年間に上演された時代浄瑠璃『天智天皇』において、住吉社の伝承がふんだんに盛り込まれ、大阪の観客を楽しませる工夫が凝らされていたことを論じた。
8 お吉と与兵衛の「救い」のゆくえ-近松『女殺油地獄』と親鸞-
『日本文学』(日本文学協会)
学術雑誌
単著
60, 34-43
2011/07



「中世におけるインターテクスチュアリティ」という特集号に執筆。享保6年(1721)上演の近松の世話浄瑠璃『女殺油地獄』において、主人公与兵衛に殺害されるお吉が親鸞聖人を深く信仰していたという設定、および最後に捕縛された与兵衛が称名するという設定に注目した。それらの設定と、親鸞やその弟子達の著作の思想を重ね合わせて読み解くことを通して、与兵衛とお吉の救いの行方についての試論を示した。
9 『開帳おどけ 仮手本忠臣蔵』本文と注釈(二)
「忍頂寺文庫・小野文庫の研究」共同研究グループ・国文学研究資料館篇『2010年度 大阪大学大学院文学研究科共同研究(国文学研究資料館連携事業)研究成果報告書 忍頂寺文庫・小野文庫の研究』
学術雑誌
共著
5, 33-50
2011/03
川端咲子、正木ゆみ


調査資料7の続編として、『開帳おどけ 仮手本忠臣蔵』の川の巻について、川端咲子氏と共同研究を行い、従来未翻刻であった本資料の校訂本文と注釈を掲載した。
10 「一閑坊の案内」考-『男色大鑑』巻七の五における工夫-
『上方文藝研究』(上方文藝研究の会)
学術雑誌
単著
7, 30-43
2010/06



貞享4年(1687)出版の西鶴の浮世草子『男色大鑑』巻七の五に登場する「一閑坊」が、従来指摘されてきた、堺の地誌『堺鑑』の著者衣笠一閑であることを改めて確認するとともに、彼が、堺の俳壇に身を置き、西鶴とも交流があった人物であることを新たに指摘した。その上で、西鶴が、本話に一閑を登場させた意図を探った。30-43
11 『開帳おどけ 仮手本忠臣蔵』本文と注釈(一)
「忍頂寺文庫・小野文庫の研究」共同研究グループ・国文学研究資料館篇『2009年度 大阪大学大学院文学研究科共同研究(国文学研究資料館連携事業)研究成果報告書 忍頂寺文庫・小野文庫の研究』
学術雑誌
共著
4, 49-65
2010/03
川端咲子、正木ゆみ


学術論文15を承け、『開帳おどけ 仮手本忠臣蔵』の天の巻について、川端咲子氏と共同研究を行い、従来未翻刻であった本資料の校訂本文と注釈を掲載した。49-65
12 紹介・信多純一著『浄瑠璃御前物語の研究』
『語文』(大阪大学国語国文学会)
学術雑誌
単著
92-93, 124-125
2010/02



信多(しのだ)純一氏著『浄瑠璃御前物語の研究』(岩波書店、2008年)について、研究史上の意義に触れつつ紹介した。
13 紀海音『椀久末松山』における「女同士」-一中節との比較を通して-
『女子大国文』(京都女子大学国文学会)
学術雑誌
単著
144, 27-51
2009/01



近松に対抗した浄瑠璃作者紀海音のデビュー作『椀久末松山(わんきゅうすえのまつやま)』(宝永年間上演)の中巻を、類似作である、人気太夫都一中(みやこいっちゅう)の語り物『椀久末松山』と綿密に比較し、海音が描く妻と遊女との関係の特色を導きだした。その特色を、妻と遊女との関係をテーマにした近松の世話浄瑠璃と比較することを今後の課題として提示した。
14 『開帳おどけ 仮手本忠臣蔵』考-忍頂寺文庫本を出発点として-
「忍頂寺文庫・小野文庫の研究」共同研究グループ・国文学研究資料館篇『2006年度 大阪大学大学院文学研究科共同研究(国文学研究資料館連携事業)研究成果報告書 忍頂寺文庫・小野文庫の研究』
学術雑誌
共著
2, 32-51
2007/03
川端咲子、正木ゆみ


大阪大学大学院文学研究科と国文学研究資料館の連携研究「忍頂寺文庫・小野文庫の研究」の共同研究員として、大阪大学附属図書館所蔵の忍頂寺(にんじょうじ)文庫(近世歌謡研究家であった忍頂寺務[1886~1951]の旧蔵書)の珍書『開帳おどけ 仮手本(かりでほん)忠臣蔵』(文化5年[1808]頃出版)について、川端咲子氏と共同調査・分析を行った。その成果をまとめ、本書が、江戸時代後期の大坂における芸能史・戯作史を考える上で貴重な資料であることを指摘した。
15 『当世芝居気質』作者考-半井金陵は並木荘治なり-
『藝能史研究』(藝能史研究会)
学術雑誌
共著
174, 1-23
2006/07
廣瀬千紗子、正木ゆみ


安永6年(1777)出版の浮世草子『当世芝居気質(とうせいしばいかたぎ)』の作者半井金陵(なからいきんりょう)が、名作者並木正三(しょうざ)と共に芝居作りに関わった並木荘治(そうじ)であること、及びその歌舞伎作者としての動静を明らかにした。さらに、本作の巻四之一は、荘治の歌舞伎作者としての経験が存分に生かされた一話になっており、後世の演劇書にも大きな影響を与えたことを指摘した。
16 近松の俊寛像と 『源平盛衰記』
『女子大国文』(京都女子大学国文学会)
学術雑誌
単著
137, 73-83
2005/06



享保4年(1719)上演の近松の時代浄瑠璃『平家女護島』の「鬼界が島の段」における主人公俊寛僧都の人物描写や人物造型などについて、従来、『平家物語』や、謡曲『俊寛』が主な典拠として指摘されてきた。しかし、『平家物語』の一異本である『源平盛衰記』もまた、従来考えられていた以上に、重要な典拠として利用されていることを指摘した。
17 近松浄瑠璃『せみ丸』の魅力
『江戸文学』(ぺりかん社)
学術雑誌
単著
30, 84-96
2004/06



元禄年間上演の近松時代浄瑠璃『せみ丸』について、先行作品である謡曲や、古浄瑠璃の摂取の様相を検討することを通して、後世まで人気を博した本作の魅力の源泉を明らかにした。
18 『曾根崎心中』注釈再考-謡曲詞章の利用について-
『上方文藝研究』(上方文藝研究の会)
学術雑誌
単著
1, 48-56
2004/05



元禄16年(1703)上演の近松の世話浄瑠璃『曾根崎心中』について、従来の研究では看過されてきた新たな典拠を謡曲詞章から見出し、近松作品を注釈する上で、謡曲詞章との関係を探る必要性を提示した。
19 注目の近松作品 けいせい七堂伽藍
『国文学 解釈と教材の研究』(学燈社)
学術雑誌
単著
47/ 6, 64-70
2002/05



著書6で翻刻し、解題を記した新出近松歌舞伎狂言本『けいせい七堂伽藍』が、書誌的な面だけではなく、内容面においても注目すべき特徴を備えたものであることを指摘した。具体的には、元禄上方歌舞伎のお家騒動ものとしては異色な心中場面が描かれていることなどを取り上げた。
20 近松浄瑠璃『三世相』小考-「さんげ物語」と遊女の誠論を中心に-
『女子大国文』(京都女子大学国文学会)
学術雑誌
単著
128, 41-63
2000/12



貞享3年(1686)上演の近松の時代浄瑠璃『三世相』もまた、学術論文7で取り上げた『世継曽我』と同様、同時代の遊女評判記や西鶴の浮世草子に描かれた、遊女の心情や境遇を取り入れ、新しい浄瑠璃を目指したものであることを指摘した。41-63
21 『兼好法師物見車』小考(補遺)
『演劇研究会会報』(演劇研究会)
学術雑誌
単著
26, 37-46
2000/06



学術論文4の補遺として、近松の時代浄瑠璃『兼好法師物見車』の登場人物「衛士の又五郎」が、正徳年間の近松時代浄瑠璃『弘徽殿鵜羽産家(こうきでんうのはのうぶや)』にも、その道外的性格を増して転生しているということを指摘した。37-46
22 『世継曽我』廓場考
『女子大国文』(京都女子大学国文学会)
学術雑誌
単著
125, 44-62
1999/06



天和3年(1683)上演の近松の時代浄瑠璃『世継曽我』が、学術論文6で取り上げた西鶴の『暦』と同様、同時代の遊女評判記や西鶴の浮世草子に描かれた、遊女の心情や境遇を取り入れ、新しい浄瑠璃を目指したものであることを指摘した。
23 忍頂寺文庫特輯
『語文』(大阪大学国語国文学会)
学術雑誌
共著
70, 6-7、10-11、17、25-31
1998/05
青田寿美、内田宗一、尾崎千佳、川端咲子、近衞典子、富田志津子、福田安典(責任編集)、正木ゆみ[山﨑の執筆名]、鷲原知良


大阪大学附属図書館所蔵の忍頂寺文庫について、共同研究を行い、その資料的価値を提示した。
24 西鶴「しゃれ物語」をめぐって
『京都語文』(仏教大学国語国文学会)
学術雑誌
単著
2, 110-135
1997/10



貞享2年(1685)に井原西鶴が作った浄瑠璃『暦』は、研究史上評価が高くないが、西鶴が、浮世草子作者としての手腕を生かして近世の遊女の心情や境遇を描くなど、浄瑠璃に新しい要素を取り込んだ作品であることを指摘した。
25 紹介・近松全集刊行会編『近松全集』全十七巻-刊行完結と新資料発見
『語文』(大阪大学国語国文学会)
学術雑誌
単著
67, 44-45
1997/02



『近松全集』全十七巻(岩波書店、1994年初刷完結、1996年補遺編刊)について、近松研究における意義に触れつつ紹介した。
26 『長町女腹切』試考
『待兼山論叢』(大阪大学文学会) 30
学術雑誌
単著
30, 1-17
1996/12



正徳年間(1711-1716)の近松の世話浄瑠璃『長町女腹切』下巻にみえる「女の腹切り」の趣向の成立背景に、女方役者津川半太夫の死の当て込みがある可能性を指摘した。
27 『兼好法師物見車』小考-衛士の又五郎をめぐって-
『演劇研究会会報』(演劇研究会)
学術雑誌
単著
22, 8-19
1996/06



宝永年間(1704-1711)上演の近松の時代浄瑠璃『兼好法師物見車』中巻の登場人物「衛士の又五郎」が、『徒然草』第百二段に描かれた人物を典拠とし、そこに、元禄歌舞伎の道外方の芸風を付与して造形された可能性があることを指摘した。8-19
28 初代芳沢あやめの 「底にうれいの思ひ入」
『歌舞伎 研究と批評』(歌舞伎学会)
学術雑誌
単著
17, 80-96
1996/06



元禄上方歌舞伎の名優芳沢あやめの出世芸となった、内面の愁いを表現する「思い入れ」という演技の成立背景と、その演技史における意義について考察し、研究の遅れている歌舞伎の演技研究を進めようとした。
29 藤十郎の実事と近松-廓場を中心として-
『語文』(大阪大学国語国文学会)
学術雑誌
単著
62-63, 65-74
1995/01



元禄年間、近松は、歌舞伎と浄瑠璃双方の作者として活躍しており、従来、近松の浄瑠璃に、歌舞伎の影響が濃く見られるとされてきた。しかし、実は、近松は、浄瑠璃の趣向を取り入れた歌舞伎も作っており、そのような近松の歌舞伎が、元禄上方歌舞伎の名優坂田藤十郎の新境地開拓にも大きく寄与した可能性を指摘した。
30 宇治座の浄瑠璃と江戸歌舞伎との交流-初代中村七三郎との関連を中心に-
『近世文芸』(日本近世文学会)
学術雑誌
単著
58, 15-34
1993/07



元禄年間後半上演の京都宇治座の浄瑠璃三作の趣向が、相次いで同時期の江戸歌舞伎に摂取されていることを指摘した。その上で、その趣向摂取にあたって、京都でも人気を博した江戸役者中村七三郎が介在していたということを考察し、従来看過されてきた上方浄瑠璃と江戸歌舞伎との交流について明らかにした。