論文
公開件数:49件
No. 発表論文の標題 掲載誌名 論文誌種別 単著・共著区分 巻号頁 出版日 著者名 ISSN DOI 概要
1 遺伝学的アイデンティティと差別―祖先遺伝学的検査をめぐって
遺伝情報のプライバシーと遺伝子差別の法規制
その他
単著

2014/03




2 Brain, Mind, Body and Society: Autonomous System in Robotics
International Journal of Bioethics
学術雑誌
単著
33, 41-48
2013/11




3 遺伝学的検査ビジネスをめぐる倫理と法:祖先検査と子ども才能検査を中心に
法と倫理のコラボレーション―活気ある社会への規範形成―
大学・研究所紀要
単著

2013/02




4 欧州におけるDTC遺伝学的検査規制をめぐる議論
「体質遺伝子検査」技術に関する社会ネットワークと社会的認識の調査研究
その他
単著

2012/03




5 臨床倫理検討からみた救命救急センターにおける終末期医療の現状と課題
日本救急医学会誌
学術雑誌
共著
23/ 2, 39-50
2012/02




6 ホスピスに入院する終末期がん患者の家族の思いに関する研究
『大阪大学看護学雑誌』第17巻第1号
学術雑誌
共著

2011/03



終末期がん患者の家族が直面する苦悩について、文献調査と看護師のインタビュー調査に基づいて考察した。pp.25-33、共著者:小林珠美、竹内佐智恵、霜田求、荒尾晴惠
7 生体肝移植の適応に臨床倫理検討を必要とした急性肝不全症例の1例
『日本救急医学会雑誌』
学術雑誌
共著
21巻/ 4号
2010/04



大阪大学医学部附属病院・救命救急センターのスタッフとの間の共同研究の成果の一部。pp.185-190、共著者:清水健太郎、小倉裕司、中川雄公、松本直也、鍬方安行、霜田求、田中裕、杉本壽
8 Rationality of Refusing Treatment: Clinical Ethics Conference at the Department of Emergency Medicine
Formosan Journal of Medical Humanities
学術雑誌
単著
Vol.10/ No.1&2, 99-104
2009/06



本稿は、大阪大学医学部附属病院・救命救急センターのスタッフとの間で毎月行っている臨床倫理検討会でとくに困難な問題として取り上げられた事例(自殺未遂で救命救急センターに運ばれてきた患者による救命治療の拒否)を基に、医療スタッフとしての対応のあり方を検討した。pp.99-104
9 「救いの弟妹」か「スペア部品」か―「ドナー・ベビー」の倫理学的考察
『医療・生命と倫理・社会』第8号
学術雑誌
単著

2009/03



「ドナー・ベビー」とは、遺伝性の血液疾患の兄姉の治療目的で、臍帯血移植用ドナーとして次子を出産するために施行される着床前診断・胚選別であり、「治療による生命救済」と「生命の手段化・道具化」という深刻な倫理的葛藤を引き起こす問題として議論されている。本稿は、二つの事例に即して問題点を整理し、考察を加えたものである。17-27頁。
10 Current Situation and Issues of Genetic Medicine in Japan: From the Questionnaire Survey about Genetic Medicine and its Sociocultural Aspects
Neo-Socratic Dialogues for Improved Genetic Counselling, Web Report
学術雑誌
共著

2009/02



同上。111-114頁。
11 再生医療の倫理的側面
『治療』Vol.90
学術雑誌
単著

2008/11



iPS細胞の登場によって大きく変貌しつつある再生医療の研究および臨床応用に関わる倫理問題を、「医学の進歩・患者の救済と胚の操作・破壊」「医学の進歩・患者の救済と特許権・産業化」「当人の自発的意思とリスク評価」「当人の自発的意思と生命操作(配偶子作製)」といった論点に即して検討した。2953-2958頁。
12 Public Policy and Regulation System concerning Genetic Medicine in Japan
Formosan Journal of Medical Humanities, Vol.9, No.1&2
学術雑誌
共著

2008/05



本稿は、日本の遺伝子診療の政策および規制システムについて、その経緯、背景、そして現状と課題の分析を試みたものである。はじめに、わが国の遺伝子診療の規制システムについて、その特徴や規制手段に焦点を当てて考察し、次に、遺伝学的検査の標準的指針となっている「遺伝医学関連10学会ガイドライン」を対象に、それらが策定された経緯や規制効果などについて分析する。最後に、それら問題点から読み取るべき示唆について検討を加えた。pp.27-39。共著者:岩江荘介、霜田求
13 Respecting Patient's Dignity in Emergency Medical Care: Drawing from the Experience of Clinical Ethics Case Conferences in Japan
『新しい公共的対話モデルの有効性の検討』平成16~19年度文部科学省科学研究費補助金・基盤研究(B)(1)研究成果報告書
学術雑誌
単著

2008/03



本稿は、大阪大学医学部附属病院・救命救急センターのスタッフとの間で毎月行っている臨床倫理検討会での議論を踏まえて、患者の尊厳を「患者の自律を尊重し,患者の最善の利益を追求すること」という意味で捉え、家族の意向により意思能力のない患者に救命治療をしないことが認められるかどうかを検討した。111-114頁。
14 キメラ・ハイブリッド研究の規制に向けて―欧州委員会助成研究プロジェクトの最終報告の概要
『医療・生命と倫理・社会』第7号
学術雑誌
単著

2008/03



本稿は2007年12月に提出されたキメラ・ハイブリッド研究プロジェクト最終報告書の概略をまとめたものである。その骨子は、「概論」で、細胞、胚、胎児、出生後の「人‐動物合成体」(キメラ・ハイブリッド)が概念的・倫理的・法的問題を引き起こすことを提示し、「科学的」「倫理的」「法的」観点からポイントになることをまとめ、政策形成への「提言」を述べる、というものである。それを踏まえて、日本における今後の議論のためのたたき台をまとめた。143-157頁。
15 日本の遺伝子診療の現状と課題―「遺伝子診療とその社会文化的側面についてのアンケート調査」から
『医療・生命と倫理・社会』第7号
学術雑誌
共著

2008/03



本稿は、欧州(オーストリア、ドイツ)の人文社会系研究者との共同研究として、遺伝子診療(遺伝学的検査および遺伝カウンセリング)、とりわけ発症前診断をめぐる社会文化的側面について、国際比較を行いながら改善の方向性を探るという構想のもとで、日本国内関係機関へのアンケート調査および主要研究者へのインタビューを実施し、そのデータに基づいて、現在の日本の遺伝子診療の全体像及び課題を描き出すことを目指した。13-66頁。共著者:工藤直志、岩渕亜希子、霜田求、中岡成文、西村ユミ
16 キメラ・ハイブリッド研究の倫理問題―欧州委員会研究助成による国際的・学際的研究プロジェクトの中間報告
『医療・生命と倫理・社会』第6号
学術雑誌
単著

2007/03



2005年10月から開始した本プロジェクトについて、その基本的な目的、具体的には生殖補助医療や再生医療あるいは異種移植等のための人と人以外の動物との合成体の作成を伴う生物医学研究に対する適切な法規制の在り方を指し示すことを明示した上で、生物医学、法律学、哲学・倫理学といった異分野間での討議の概要をまとめた。77-89頁。
17 救急医療における臨床倫理検討会の取り組みについて
『日本臨床救急医学会雑誌』第10巻第1号
学術雑誌
共著

2007/02



大阪大学医学部附属病院・高度救命救急センターのスタッフとの間で毎月開催している臨床倫理検討会の取り組みについて、その基本的な方法論を紹介しつつ、スタッフが実際の症例で直面した倫理的ディレンマの整理と問題解決方法をまとめた。52-60頁。共著者:小川尚子、田中裕、京力深穂、松嶋麻子、霜田求、杉本壽他
18 尊厳死と安楽死―問題点の整理
『麻酔』第55巻増刊号
学術雑誌
単著

2006/11



上記25bを加筆修正。84-92頁。
19 新しい「尊厳死」論をめぐって―「死ぬ権利」か「生の終焉に寄り添うケア・プロセス」か―
『擬似法的な倫理からプロセスの倫理へ―「生命倫理」の臨床哲学的変換の試み』平成15~17年度文部科学省科学研究費補助金・基盤研究(B)研究成果中間報告書
学術雑誌
単著

2006/03



同上。33-46頁。
20 Ethical Issues in Genetic Medicine: From the Context-sensitive Approach
Philosophia OSAKA, No.1
学術雑誌
単著

2006/03



同上。pp.33-42
21 "Death with Dignity" in the Japanese Context
International Journal of Bioethics, Vol.16,No.1/2
学術雑誌
単著

2005/11



本稿では、尊厳死概念をめぐる多様な歴史的・概念的な文脈を踏まえ、それが当人の意思(=「死ぬ権利」)と「尊厳なき生」という生の質についての価値評価を基軸とする強力なコンセプトに立脚するものであることを、国内外の状況および議論を紹介しながら明らかにした上で、それを「新しい尊厳死論」として位置づける。そして、その立場に、「尊厳ある終末生のためのケア・プロセス」というコミュニケーションに定位するスタンスを対置し、真の意味で「尊厳ある死」の可能性を探る。pp.125-134
22 遺伝子医療における臨床と倫理―文脈論的視角の意義
『理想』675号
学術雑誌
単著

2005/10



遺伝子診断および遺伝カウンセリングを中心とする遺伝子診療と呼ばれる現場では、親(になる人)や生まれてくる子の遺伝学的な質を調べて、子をもうけるか否か、産むか産まないを選択することが可能になってきた。そこでは、クライアント(来談者)の「意向」や「思い」が尊重されねばならないとされるが、むしろそれらが、なぜ、そしてどのようにして生成してきたのかという意味での、個別問題事例を取り巻く「文脈」に着目することが必要である。本稿では、この問題をとくに、「臨床倫理アプローチ」の手法を用いて、遺伝性疾患の回避(結婚前・妊娠前の遺伝子診断)、遺伝学的検査・診断による生命の始まりへの介入(着床前診断・出生前診断)というトピックに即して検討する。それを踏まえて、それぞれの「現場」が抱える特有の倫理問題に対するこのアプローチの可能性と問題点を浮き彫りにしつつ、文脈論的視角の意義を明らかにする。48-58頁。
23 Genetic Manipulation and the Individual Model of "Quality of Life"
『臨床哲学の可能性』財団法人国際高等研究所・報告書
学術雑誌
単著

2005/03



同上。147-167頁。
24 バイオテクノロジーをめぐる倫理と政治―G・ストックとF・フクヤマの論争を手がかりに
『レオ・シュトラウス政治哲学研究の方法による思想史研究と政治哲学の可能性』平成13~15年度文部科学省科学研究費補助金・基盤研究(B)(1)研究成果報告書
学術雑誌
単著

2005/02



バイオテクノロジーによる人間生命への介入をめぐる問題群の倫理的かつ政治的な含意を、個人の自由・権利あるいは欲望・選好の追求を最大限認めるべきだという立場(ストック)と、普遍的な人間的価値あるいは社会の秩序・安定性を守るために公権力による規制的介入が必要だという立場(フクヤマ)との対立に定位して検討を加える。116-130頁。
25 Risk Assessment in Advanced Biomedical Technology
Journal of International Biotechnology Law, Vol.2,No.1
学術雑誌
単著

2005/02



同上。pp.25-29
26 先端医療技術における道徳的リスク―生命科学をめぐるコミュニケーションの可能性に向けて
『臨床コミュニケーションのモデル開発と実践』文部科学省・科学技術政策提言報告書
学術雑誌
単著

2004/03



本稿は、人の生殖に関わる先端医療技術の発展・普及が人々の倫理的思考・実践や社会全般に及ぼす影響を、社会的および道徳的リスクという視点から考察を加えたものである。とりわけ、生命を設計し操作するという方向を強めるその技術が人間存在の根幹に触れる問題を提起していること、そしてそれに応答する上でとくに「道徳的リスク」の問題に着目する必要性を確認した。「道徳的リスク」というのは、生命操作技術がもたらす「生物学的リスク」(異常の発生や疾患可能性とその程度)とは別に、生命(生物体)を人の健康や欲望充足のという目的のための道具や手段として用いること、そのために「正常/異常」「優良/劣悪」といった価値尺度に基づいて改変・作製・選別することに対して、研究者のみならず一般の人々が、感受力を磨滅して何ら問題性を見出さなくなる可能性を指すものである。その考察を踏まえて、「道徳的」という語を実体的・実質的な価値観としてではなく、「相互行為‐関係性」および「コミュニケーション」の位相に定位して捉え返すことの大切さと、先端医療技術を進めていくために不可欠の公共的対話の意義を提示する。203-210頁。
27 生命の設計と新優生学
『医学哲学 医学倫理』第21号
学術雑誌
単著

2003/10



遺伝子工学、生殖補助医療技術、クローニングといった新しい生物医学のテクノロジーが進展する中で、生命の設計(デザイン)への道が拓かれつつあるが、それらを利用した積極的な生命への操作的介入は、受精卵・胚における「異常」や「欠陥」の除去・修復・廃棄といった消極的な操作とともに、新優生学と呼ばれる思想の実践と見なしうる。主に国家の政策として断種などにより「劣悪」な遺伝形質の淘汰を目指す旧来の優生学と異なり、当事者の自発的選択を駆動力とし、生の質を個体に内属するものとして捉えるアトミズム的発想、「望ましい質」へと向かう欲望をビジネスとして推進する市場主義を軸とするという点に、新優生学の特徴がある。しかし同時に、コスト抑制的発想を重視する社会設計という側面を抱えつつ、コントロール(支配・制御・管理)可能な対象として他者を眼差すという点で、新優生学は旧優生学との連続性を保持している。31-45頁。
28 遺伝子操作と〈生の質〉の個体モデル
『医療・生命と倫理・社会』第2号
学術雑誌
単著

2003/03



本稿では、生命の選別、改変(修復/改良)、設計、作製といった介入が投げかける倫理的・社会的な諸問題を「遺伝子操作」という枠組みのもとで検討を加え、〈生の質〉について様々な角度から考察を試みる。83-95頁。
29 水俣病事件の教訓と環境リスク論
『社会関係研究』第9巻第1号
学術雑誌
単著

2002/11



本論文の目的は、最近のリスク論をめぐる論争を手がかりに、水俣病事件から得られる教訓を際立たせること、そしてリスク論そのものの問題性を検証することにある。具体的に言及するのはダイオキシンや環境ホルモンといった人工化学物質の環境リスクであり、まずそれをめぐる国内外の論争の中で浮かび上がってきた問題点を、リスク評価、リスク管理、リスク・コミュニケーションの三つの位相に即して整理した上で、リスク便益原則を批判的に検討し、「因果関係の解明」に焦点を絞りながら予防原則の重要性を明らかにする。1-29頁。
30 治療的クローニングの倫理問題と意思決定プロセス
『医療・生命と倫理・社会』第1号
学術雑誌
単著

2002/03



同上。35-40頁
31 Ethical Issues and Decision Making Process concerning Therapeutic Cloning
“Abstractness and Concreteness of Philosophical Theories -- Centered on Hegel's Philosophy and Nursing Theories” Report on Results of Research Project, Grant-in-Aid for Scientific Research(C)(2), 2000-2001
学術雑誌
単著

2002/03



体細胞の核を未受精卵に移植して作成されるヒトクローン胚は、子宮に戻された場合にはヒトクローン個体(=クローン人間)となるが、そこからES細胞を樹立して治療目的に用いる場合は、拒絶反応のない組織・臓器ができるかもしれないと期待され、注目を浴びつつある。本稿は、その倫理的・社会的の問題点を整理したものである。69-73頁。
32 遺伝子をめぐる言説の社会的文脈―遺伝子医療の倫理問題の検討に向けて
『21世紀日本の重要諸課題の総合的把握を目指す社会哲学的研究』平成13年度科学研究費補助金・基盤研究(B)(1)研究成果報告書
学術雑誌
単著

2002/03



「遺伝子」(あるいは「ゲノム」「DNA」)をめぐる諸問題ついて一般社会向けに発信される言説が近年急激に増加しているが、本稿は、これらの言説を社会的文脈という視角から整理した上で、その意味を解読し、遺伝子に関わる医療の倫理問題を検討することを目的とする。156-166頁。
33 未来医療の倫理性
『精神神経学雑誌』第103巻第10号
学術雑誌
単著

2001/10



21世紀の医療・医学を主導すると見られる、ヒトゲノム解析とそれに基づく遺伝子医療(検査・診断・治療・予防、医薬品開発など)と再生医療(生体組織工学、幹細胞利用技術、クローン技術など)について、そこで問われるべき「倫理」とは何かを探るのが本報告の課題をなす。778-782頁。
34 生命操作をめぐる倫理問題―社会的文脈に定位する視角から
『コミュニケーション理論を軸とした実践哲学の可能性についての研究』平成11年度文部省科学研究費補助金基盤研究(C)(2)研究成果報告書
学術雑誌
単著

2001/03



医療および医学をめぐる倫理問題は、日常医療、出生、死、生命という主題にそれぞれ固有の問いとして提起される。そして臨床現場、基礎研究、関連ビジネス、社会(医療・福祉)政策など様々な領域で検討され、応答が試みられてきた。本稿では、その中でもとくに深刻な問いを形づくると思われる「人為的な生命への操作的介入」に焦点を合わせ、倫理的課題に取り組む一つの方向づけを示す。45-59頁。
35 実践的問いの文脈性と手続き性―正当化を軸とする倫理学的思考の可能性
『倫理学研究』第31集
学術雑誌
単著

2001/03



規範あるいは社会的正義への問いを技術的な問題に還元する立場(=脱規範思考)への批判を、出生前診断・選択的中絶の問題と環境ホルモン・遺伝子組み替え食品の問題に即して展開する。20-26頁。
36 討議理論における法と道徳―妥当概念を軸にして
『西日本哲学会年報』第8号
学術雑誌
単著

2000/10



法が妥当する(効力を持つ)という事態を、事実性(実定性)と規範性の二つの側面から解明しつつ、それが道徳(規範と価値が峻別されるポスト慣習的段階における普遍主義的な道徳)とどのように関係するかを、討議理論の枠組みに即して探る。71-84頁。
37 法‐道徳関係と正義のエートス―G・ラートブルフの法哲学における重心移動をめぐって
『社会変動とエートスの関係』平成9年度科学研究費補助金・基盤研究(C)(2)研究成果報告書
学術雑誌
単著

2000/06



ナチスによる支配とその崩壊という時代の激動の中で、強靱な思索を続けていた法哲学者G・ラートブルフの論稿を、法と道徳の関係、そして正義の理念の位置・機能という観点から検討を加える。法的安定性(秩序・平和)を重視する実証主義的な姿勢から、正義(人権・民主主義)の実現に重きを置く理念主義的性格を強める、という思想的展開を跡づける。74-91頁。
38 実践的討議の道徳性―ハーバーマスとアレクシーを手がかりにして
『熊本学園大学経済学部開設三十周年記念論文集』
学術雑誌
単著

2000/03



価値の多元性が進展する現代社会においては、しばしば規範をめぐる対立や抗争が顕在化することが少なくないが、本稿は「実践的討議」というコミュニケーション的行為の反省形態を軸に、その合理的解決の可能性を探る試みである。それは同時に、普遍化可能な利害を追求する意思決定プロセスとしての手続き(=討議)に定位して、法と道徳の必然的な関連を証示することでもある。449-473頁。
39 環境倫理学におけるパトスと知―共苦・責任・公正
『感情の解釈学的研究』平成9年度科学研究費補助金・基盤研究(B)(2)研究成果報告書
学術雑誌
単著

1998/03



環境問題における「苦しむもの」が発する<苦しみの声>に焦点を当てながら、様々なレヴェルの関係をめぐる規範的問いの倫理学的考察を試みる。その上で「間にあること=関わり合い」としてのinterestの概念を軸に、<苦しみの声>を聴き取るパトス的契機と、自己と「苦しむもの」との<間>に関する能動的な知の契機との交差する地点を探る。169-181頁。
40 討議倫理学における正と善
『大阪産業大学論集』第92号
学術雑誌
単著

1997/06



近年、規範をめぐる議論のなかでとくに注目すべきものとして、正(個人の自由・自律の権利、社会構成原理としての正義)と善(善き生の構想、共通善)の関係をめぐる問題が挙げられよう。本稿では、リベラリズムと共同体論の間で交わされたいくつかの論争を手がかりに、新たな規範倫理学のうちに正と善を定式化しようとする討議倫理学の試みを検証する。75-89頁。
41 討議倫理学とバイオエシックス―障害新生児の安楽死問題をめぐって
『応用倫理学の新たな展開―倫理学におけるミクロ的視点とマクロ的視点の総合をめざして』平成7年度科学研究費補助金・総合研究(A)研究成果報告書
学術雑誌
単著

1996/03



討議倫理学の基本的な立場は、対話・論議・合意から成るコミュニケーション的合理性に基づいて規範の正当化を試みるというものである。一方では歴史的・社会的な文脈や実質的な内容を抽象した普遍主義・形式主義を強調しつつも、他方で「普遍」や「正義」が抗争し合う具体的な現実の状況のなかで、個々の課題への道徳原理の「適用」可能性を探るという方向も見られる。本論文では、そうした方向を、障害を持って生まれてくる新生児の処遇という具体的問題に即して展開した論考を検討する。109-120頁。
42 適用と批判―討議倫理学の批判的可能性
『カンティアーナ』第25号
学術雑誌
単著

1994/12



形式的‐手続き的な原理的レヴェルと実質的な規範の根拠づけレヴェルの二段階から成る、アーペルの討議倫理学の基本構造を、「適用」の概念を軸にして解明する。その上で、ハーバーマスの「対抗ディスクルス」を手がかりに現代的課題(法・政治・経済など)に取り組む規範理論としての可能性を検討する。55-82頁。
43 ヘーゲル市民社会論における倫理性の問題
『大阪産業大学論集』人文科学編第82号
学術雑誌
単著

1994/06



ヘーゲルの市民社会論は、それを支える人間了解への批判的洞察、すなわち近代の道徳的な主体性(意志の自己規定=自律)への根本的な批判を含意する。この点の解明を通じてヘーゲルの倫理的な心術(気構え)論の意義を確認する。93-110頁。
44 理性と総体性―ヘーゲル人倫思想の批判的考察
『アルケー―関西哲学会年報』No.1
学術雑誌
単著

1993/06



ヘーゲル人倫思想の基本構制、すなわち<人倫性による道徳性の止揚>及び<国家による市民社会の止揚>を、個と普遍の有機的総体性、あるいは客観的理性の肯定的かつ実定的な概念として捉えた上で、この理性概念に備わる批判的媒介原理を顕在化することにより、ヘーゲルへの内在的かつ弁証法的な批判をみる。52-61頁。
45 ヘーゲル人倫思想の研究
博士論文(大阪大学大学院文学研究科)
大学・研究所紀要
単著

1993/03



本論文の主要モチーフは、ヘーゲル人倫思想を形づくる〈道徳性と人倫性〉及び〈市民社会と国家〉という基本枠組みを、様々な角度から内在的に検討した上で、その批判的な継承可能性を探る、というものである。始めに、ヘーゲル哲学体系の「客観的精神」(歴史・社会)に設定される倫理的立場、即ち自由・理念・善の具体的かつ客観的な基盤(共同性)としての「人倫性」という概念を、『法哲学』を中心に解明する。そこではまず、個人の主体的な意志の自己規定(=自律)を中心に据える「道徳性」の立場―カント倫理学がその典型である―を、現に妥当している共同体の倫理や規範から分離した特殊性の立場にとどまるものとして批判するという立論が検証される。そして、「良心の相互承認」の独自の意義を『精神現象学』で確認した上で、人倫性の構造(倫理的義務論・市民社会論・国家論)を、ヘーゲル哲学固有の論理展開(〈理念の自己運動〉や〈イデアリスムス〉など)に即して解明する。次に、近代国家の成立を宗教(キリスト教)と歴史(フランス革命)との関わりの中で問い返し、自由と理性の実現を構想するというヘーゲル人倫思想の展開を、『歴史哲学』、『宗教哲学』、『エンチュクロペディー』を参照しつつ考察する。そこでは、理性と信仰、国家と宗教、そして哲学と宗教といった軸を設定してヘーゲル哲学体系の根幹に迫る。以上の検討を踏まえて、ヘーゲル人倫思想の主な批判的継承の試みを分類・検討し、個と全体の抽象的二元性を克服する〈批判的総体性〉・〈否定性〉・〈媒介〉といった概念を中心にヘーゲルの現代的意義を明らかにする。総頁数199頁。
46 ヘーゲルの人倫論における宗教の役割
『倫理学研究』第21集
学術雑誌
単著

1991/03



本稿は、ヘーゲル哲学体系における「客観的精神」と「絶対的精神」の関係を、人倫性(とりわけ国家)と宗教、そして宗教と哲学の関係を軸に考察したものである。近代国家の宗教(キリスト教)からの独立を要求する立場から、宗教による内面的支えを必要とする国家観への移行を跡づけながら、哲学から宗教への重心移動についても確認する。14-25頁。
47 人倫性と歴史―ヘーゲルの歴史哲学における主体性の問
『待兼山論叢』第24号
学術雑誌
単著

1990/12



ヘーゲルの歴史哲学は、近代的主体性の原理をそのうちに統合した人倫国家の確立に世界史的正当性を与え、そこに理性の客観性の実現を措定する。本稿では、「世界精神」の歩みとして把握される「世界史」が、それ自身、究極的な主体としての「普遍的理念」の展開の契機とされ、しかも、「絶対的精神」の現在性を支えるものとなる、―こうしたヘーゲルの哲学体系の構成を、主体性概念を軸に批判的に検討する。59-71頁。
48 ヘーゲル『法哲学』における道徳性批判
『待兼山論叢』第22号
学術雑誌
単著

1988/12



体系期ヘーゲルの「客観的精神」論(社会・歴史哲学)の中心に位置する『法哲学』で、<道徳性の人倫性への止揚>という定式化が完成する。本稿では、その論理構造、すなわち「道徳的意志」と「善」ないし「義務」との二元対立から、「真の良心」と「人倫的実体」の統一としての「生ける善」(具体的普遍)への展開を検討した上で、ヘーゲル人倫思想の倫理学的な意義を批判的に考究する。27-39頁。
49 ヘーゲル『精神現象学』における道徳性批判―良心とその相互承認論を中心に
『倫理学研究』第17集
学術雑誌
単著

1987/03



ヘーゲルの倫理思想の根幹をなす<道徳性>と<人倫性>という概念の構造を、近代の道徳的主体性(カント倫理学及びロマン主義的立場)への批判という視角から論じた。ヘーゲルが提示する「良心」としての主体性とその相互承認において成立する精神的共同性を、近代的主体性を「止揚」した<真の人倫性>を批判的に乗り越える試みとして読み解くことを主眼とする。41-52頁。