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 発達教育学部
 教育学科 音楽教育学専攻
 
准教授
佐藤   岳晶
SATO Takeaki

その他の所属・職名
発達教育学研究科 表現文化専攻修士課程 授業担当教員

取得学位
学術  東京芸術大学  2016/03/25 

学生及び受験生へのメッセージ
 「音楽」は、この地球上で広く営まれ続ける、私たちに最も身近な文化の一つです。世界中の様々な音楽に耳を澄ますとき、ときに言葉の壁を超えて、心動かされることもあるでしょう。しかし時には、この音楽は、この作品は、一体何なのか?理解できず、戸惑いを感じることもあるのではないでしょうか。そんな時、あなたはその音楽、作品を聴き続けるでしょうか?
 幸せに過ごせたデートより、つまずいてしまった失恋の方が、深く心に刻まれて人を豊かにするように、それまでの自分が美しいと感じていたもの、素晴らしいと思っていたものとは、一味も二味も異なる音楽との遭遇と戸惑いは、もしかしたら、あなたの耳と感性を広げ、心を豊かにするチャンスなのかもしれません。
 音楽は、ときに言葉の壁を超えることはあっても、それぞれの音楽は、歴史や風土、世界観を背負い、文法のようなものをもって表現される言葉(言語)のようなものでもあるのです。外国語を学ぶように、音楽を粘り強く、深く学んでみましょう。世界中に無数の言語が存在するのと同じく、多様で、それぞれに異なる響きが渦巻く「音楽」の豊穣な海への船出は、もう始まっているのです!   

研究分野
作曲 
音楽理論 
近世邦楽 

研究テーマ
作曲  創作    近世邦楽、西洋音楽の音楽言語と楽器・声の特質を活かす創作実践。
西洋音楽理論  エクリチュール    西洋音楽の多音性の構築原理・メソッドである和声法、対位法などの研究
近世邦楽の作曲理論  音楽言語と創作法    近世邦楽がどのように作曲され、また、その多音性がどのような原理で形成されているのかを研究。その中から、西洋音楽の和声法、対位法などに相当する、近世邦楽の音楽理論・メソッドの構築も目指す。
音楽文化の「内発的発展」  内発的発展論    社会学者鶴見和子の提起した「内発的発展論」を、近世邦楽を事例に省察し、その実践を試みる。西洋音楽をはじめ異なる音楽文化へ開かれつつ、その交差点=「萃点」において、どのような主体的創造が可能であるのか、グローバル化時代の音楽文化の多様性に資する邦楽の創造のあり方を探る。
近世邦楽の演奏法  歌(唄)、三味線、箏    地歌箏曲を中心に、長唄、荻江節などの近世邦楽の歌(唄)と楽器の演奏法を研究。

著書
『ソルフェージュ 聴音』  音楽之友社  30,32-33  2011/04  国立音楽大学 編    ソルフェージュ教育のための聴音課題集。 
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論文
「松阪春栄の二面箏による音楽言語と創造 その1──ヘテロフォニーのリズム的『錯乱』」  国立音楽大学 研究紀要、第50集  大学・研究所紀要  単著  91-102  2016/03        松阪春栄が作曲した二面の箏のための合奏のテクスチュアを分析。その複雑な音の綾を生み出す、西洋音楽とは異質な、近世邦楽の多音性の原理と高度な作曲技法の一端を明らかにした。 
「近世邦楽言語の行方──西洋音楽との『萃点』における一考察」  東京藝術大学大学院音楽研究科音楽専攻 学位(博士)論文  その他  単著    2016/03        近世邦楽の伝承の現場におけるフィールドワークを基に、その音楽言語ならびに教授法の特質の一端を、西洋音楽と対照させつつ明らかにした。そして、両者の差異から、音楽の多様性の意義と、その多様性に貢献しうる近世邦楽の「発展」のあり方について、社会学や言語学とも接合させて省察した。 
「近世邦楽言語の行方──西洋音楽との『萃点』における一考察」(学位(博士)論文)    その他  単著    2016/03         
「『声の文化(オラリティー)』に生きる音楽を求めて ―― 長唄三味線 今藤長龍郎師の稽古の考察から」  国立音楽大学 研究紀要、第49集  大学・研究所紀要  単著  25-36  2015/03        近世邦楽の伝統的な教授方法であった譜本を用いない、口頭伝承による教授法とその有効性について、自ら長唄三味線のそのような稽古を体験し、その参与観察を基に検証。検証・省察においては、オングの『声の文化と文字の文化』を参照。 
「グローバル化時代の伝統邦楽再考(その2)――普遍/差異 音楽・言語の『抗争(ディフェラン)』」  国立音楽大学 研究紀要、第46集  大学・研究所紀要  単著  21-32  2012/03        グローバル化時代の西洋音楽の広がりの中での、非西洋音楽文化の表象とその意義について、近世邦楽と西洋音楽の対照を例とする音楽言語の差異と多様性の観点から論述。 
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研究発表
ゲストスピーカ  東西音楽の融合  大東文化大学文学部特別講義「東西音楽の融合」  2015/12/08  「東西文化の融合」を建学の精神とする同大学の文学部の学生を対象とする特別講座。企画コーディネート、講義、自作・編曲作品の提供を行う。鶴見和子の「曼荼羅」「萃点」の思想を読み解きながら、同氏が求めた「異なるものは異なるままに」共存する理念を、音楽の立場から講演、自作《萃点I》や、ソプラノ・三味線・ピアノのために自ら編曲した《椰子の実》などの実演も併せて行われた。 
学会発表  松阪春栄の二面の箏による合奏のテクスチュアへの一考察――近世邦楽の音楽言語と作曲技法の創造的継承を探って  東洋音楽学会 第66回大会  2015/11/01  松阪春栄が作曲した二面の箏のための合奏のテクスチュアを分析。その複雑な音の綾を生み出す、西洋音楽とは異質な、近世邦楽の多音性の原理と高度な作曲技法の一端を明らかにした。そこから、西洋音楽の和声法や対位法とは異なる、近世邦楽独自の多音性の原理・メソッドを抽出する探求の意義を併せて提起。 
学会発表  近世邦楽の伝承から再考する「声の文化(オラリティー)」――長唄三味線の伝統的教授法を事例研究として  東洋音楽学会 第65回大会  2014/11/23  近世邦楽の伝統的な教授方法であった譜本を用いない、口頭伝承による教授法とその有効性について、自ら長唄三味線のそのような稽古を体験し、その参与観察を基に検証。検証・省察においては、オングの『声の文化と文字の文化』を参照。 
学会発表  音楽文化の多様な「発展」と共生を求めて―伝統邦楽と西洋音楽の「萃点」から検証する鶴見和子の共生の理論  カルチュラル・タイフーン2014  2014/06/29  鶴見和子の共生思想を、発表者自らの西洋音楽と近世邦楽の実践歴を振り返りつつ、音楽の多様性とその共存の問題から検証。鶴見の思想・理論の継承における、今後の課題についてを提起。 
ゲストスピーカ  水俣から考える伝統音楽と社会、その伝承と「再創造」─ 石牟礼道子と鶴見和子を結んで聴く「逝きし世」の詩(うた)・音から  国際基督教大学 平和研究II 公開講演会「地域公共圏の表現法〜<水俣>以後の思想と芸術に学ぶ〜」  2013/10/11  社会学者の鶴見和子、作家の石牟礼道子が<水俣>から何を考え、そして発表者が作曲者として、何をそこから読み取ったのかを講演。そこから生まれた自作《萃点 I 》の改訂版初演の記録映像の上演も行った。 
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その他研究業績
石牟礼道子作「六道御前」のための音楽  2017/03/11-2017/03/11  芸術活動  単独  石牟礼道子作「六道御前」を、女優(金子あい)による一人芝居として上演するに際し、劇中歌を含む音楽の作曲と三絃の自演。南九州の民俗音楽も参照し、作品の風土性を活かして作曲した。編成:三絃、尺八・笛。主催:藤原書店。後藤新平・新渡戸稲造記念講堂(東京都文京区)にて。 
「琴姫のなみだ」のための音楽  2016/12/21-現在  芸術活動  単独  朗読と箏のコラボレーションの公演において、村尾靖子作『琴姫のなみだ』の朗読のための箏独奏の創作作品を、主催者の委嘱により作曲・初演。伝統的な近世の箏の音楽語法を創作に活かした。主催:泉田洋子。世田谷美術館講堂(東京都世田谷区)。 
《この道》(編曲)  2016/11/21-2016/11/21  芸術活動  単独  山田耕筰作曲 歌曲「この道」を、ピアノ独奏曲へ編曲・初演。主催:株式会社ハンナ。中目黒GTプラザホール(東京都目黒区)にて。 
《三日月まんじゃらけ》(増補改訂版初演)  2016/08/01-2016/08/01  芸術活動  単独  公益社団法人 日本三曲協会主催の同会における、各流派の子供達の合同合奏曲として選曲され、演奏される。同曲「キッズ伝統芸能体験」版を基に、より高度な技法・合奏を加え、尺八パートを加えた増補版の初演。編成:箏二部、尺八。江東区亀戸文化センター(東京都江東区)にて。 
「無二の姉弟──生まれた儘の人 和子、生まれ変わった人 俊輔」のための音楽  2016/07/24-2016/07/24  芸術活動  単独  構成・演出:笠井賢一、監修と謡:野村四郎、出演:笠井賢一、坪井美香(朗読)、山村楽千代(舞)、佐藤岳晶(作曲・歌と三絃)、設楽瞬山(尺八)。主催:藤原書店。山の上ホテル(東京都千代田区)にて。 
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