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発達教育学部
教育学科 音楽教育学専攻
准教授
田崎 直美
TAZAKI Naomi
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その他の所属・職名
発達教育学研究科 表現文化専攻修士課程 授業担当教員
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取得学位
修士 (人文科学) お茶の水女子大学 1996/03/31
博士 (人文科学) お茶の水女子大学 2001/09/28
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学生及び受験生へのメッセージ
音楽は「人間である」ために、社会を構成するために、そして人間と社会をつなぐために、欠くことのできない大切なものです。音楽を学ぶことで、自己と他者を多角的に理解し、社会における自分の立ち位置を見出す。皆さんがそうした姿勢を育む力になれますことを、私は望んでいます。
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研究分野
音楽学
美学・美術史
西洋史
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キーワード
音楽、フランス、20世紀、文化政策、文化交流
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研究テーマ
第二次世界大戦期および戦後のフランスにおける音楽活動状況 20世紀、フランス
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研究費
フランスにおける第二次世界大戦の記憶と音楽:戦争捕虜解放10周年記念式典(1955)とミヨー作曲カンタータ《火の城》の場合 2017-2018 その他 H29年度研究経費助成 本研究は、第二次世界大戦時にナチス・ドイツによる占領を経験したフランスが、戦後の国家(フランス第四共和政:1946-58)関与の組織のもと、音楽分野でどのように被占領の記憶を形成・共有しようとしたか、そしていかなる影響が個々の音楽家に及んだか、を検証する研究の一環である。 特に本研究では、フランスにてレジスタンス神話が集合的記憶を形成し始めた時期(1954年)に、レジスタンス神話推進組織による音楽作品委嘱を通して、作曲者(委嘱先) / 受け手(聴衆)のそれぞれがどのような態度をとり、かつ反応し合ったのか、史料調査にもとづき考察することを目的とする。
フランス国営放送初期(1945-54)と音楽における文化戦略: 国際交流活動に関して 2013-2013 その他 日本音楽学会 国際研究発表奨励金 (平成25年度第1回) 1945年から1954年にかけてのフランス国営ラジオ局を対象に、国際文化交流の視点から放送番組およびフランス国立管弦楽団の海外演奏旅行の実態について検証した。
フランス第四共和政期(1946-58年)パリにおける音楽活動状況の検証 2009-2012 科学研究費 若手研究(B) 日本学術振興会 科学研究費補助金 若手研究(B) フランス第四共和政期(1946-1958年)パリにおける芸術音楽活動状況を、国家の音楽政策の視点を交えて、フランス国営ラジオ放送音楽部門の方針と活動から検証、考察を行なった。1)強力なフランス芸術文化擁護の方針、2)国際協調と自国文化の国際発信への意欲、が明らかになった。
被占領から復興の記憶: フランス第四共和政期パリにおける音楽活動状況の検証 2009-2010 奨学寄附金 「第2回未来を築く子育てプロジェクト」スミセイ女性研究者支援 (住友生命) フランス第四共和政期(1946-1958年)パリにおける芸術音楽活動状況を、「被占領からの解放」という記憶の視点を交えつつ、フランス国営ラジオ放送音楽部門の方針と活動から検証、考察を行なった。戦争の悲惨な記憶の記念碑化にする慎重な態度、が明らかになった一方で、国外逃亡した作曲家(ストラヴィンスキー、ミヨーなど)の政治的に中立な作品が「パリ解放の象徴」として評価された現象が判明した。
占領下(1940-44年)におけるパリ市芸術局の音楽政策 2006-2008 科学研究費 若手研究(B) 文部科学省 科学研究費補助金 若手研究(B) ドイツ占領下パリにおけるパリ市Ville de Paris独自の音楽政策の実態と意義を考察した結果、1)積極的な現代フランス音楽促進、と2)音楽による「国家」シンボル確立への努力、が判明した。
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著書
音楽教育実践学事典 音楽之友社 136-139, 146 2017/09 日本学校音楽教育実践学会 編 978-4-276-31129-9 第5章 教材の働きと開発より「中世・ルネサンスの音楽と楽器」「バロック・古典派の音楽と楽器」「ロマン派の音楽と楽器」「近代の音楽と楽器」(以上、pp. 136-139, 田中龍三と共著)、「他の媒体とかかわりをもつ音楽」(p.146, 単著)
中学校・高等学校教員養成課程における音楽科教育の理論と実践 三恵社 100-107 2017/06 京都女子大学発達教育学部教育学科音楽教育学専攻 編 978-4-86487-715-2 第7章 中学校・高等学校の西洋音楽史
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論文
フランスにおける第二次世界大戦の記憶と音楽:強制収容所解放10周年記念式典(1955)とミヨー作曲カンタータ《火の城》の場合 昭和音楽大学研究紀要 大学・研究所紀要 単著 37, 28-41 2018/03 田崎直美 強制収容所解放10周年記念行事(1955年)というフランスにおける「公式な」戦争の記憶形成の場にてミヨー作曲《火の城》に望まれた要素について、主催団体「記憶の組織」に関する史料調査、および歌詞・音楽的特徴・初演時の批評との関連について考察した結果、主催団体側の思惑と作曲者や聴衆の思惑との違いが判明した。
French Musicology in Japan in the Mid-Twentieth Century. The Legacy of Norbert Dufourcq and Jacques Chailley Revue de musicologie (France) 学術雑誌 単著 103/ 2, 711-724 2017/11 Naomi TAZAKI 0035-1601 『音楽学雑誌』(フランス音楽学会編)創刊100周年記念論文。フランス音楽学会が日本の音楽学界に与えた影響を考察した。1950-70年代にデュフルクとシャイエの著作および来日講演を通してフランスの音楽学が日本に本格的に紹介された後、日本人留学生が徐々に増加してフランスの古楽や現代音楽研究が興隆したこと、21世紀以降は日本人音楽学者によるフランス音楽研究の数が非常に増加していること、を指摘した。
戦後日本の音楽学とフランスの音楽学の邂逅 ― 日本におけるデュフルクおよびシャイエの影響に関する試論 ― 『人文科学研究』(お茶の水女子大学) 大学・研究所紀要 単著 13, 161-175 2017/03 田崎直美 第二次大戦後の日本におけるフランス音楽受容のあり方を音楽学分野にて調査・考察した結果、1950年代から70年代にかけてデュフルクとシャイエというフランス人音楽学者の著作および来日講演を通してフランスの音楽学の真剣な理解が試みられていたこと、しかし日本の音楽学界ではドイツ・アメリカ系統の音楽学の考え方への信奉の方が強かったこと、が判明した。
政治的磁場としてのラジオと音楽 : 1940年代プーランクの音楽活動・作品と放送局との関係 『お茶の水音楽論集』 大学・研究所紀要 単著 18, 91-100 2016/04 田崎直美 ドイツ占領下および解放直後のフランスにて活動したF.プーランクと、当時のラジオ局との関係および政治的・社会的意味について調査・考察した結果、ヴィシー政権下での国営放送(RN)との繋がりと戦後イギリス文化外交戦略の恩恵が相まって、戦後のフランス国営放送局(RDF)が彼を様々な形で優遇したことが判明した。
戦後日本における招聘フランス人音楽家の活動(1950-53年): 日仏文化交流および日本の音楽界に与えた影響について 『人文科学研究』(お茶の水女子大学) 大学・研究所紀要 単著 12, 151-164 2016/03 田崎直美 1950年代初頭に社会的に注目されたフランス人演奏家招聘について、当時の日本人音楽家へ与えた影響および外交的・歴史的意義について考察した。
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研究発表
学会発表 Cultural Strategies for Music by the Inspection Générale des Beaux-Arts de la Ville de Paris during the German Occupation:Exploiting the Radiodiffusion Nationale International Musicological Society 20th Quinquennial Congress in Tokyo 2017/03/21 IGBA音楽政策の特徴について、近年新たに判明した情報に焦点を当てる。中でもIGBA演奏会事業の実質的企画者がヴィシー政権のラジオ局である国営ラジオ放送 Radiodiffusion Nationale との連携を働き掛けていた点に着目し、IGBA音楽政策と国策との関係、および政治情勢との関係についての特徴を報告した。
シンポジウム French piano masters invited to post-war Japan: The impact of French–Japanese cultural exchanges (1950, 1952) International Franco-Japanese Colloquium:First session 2016/02 1950, 1952年に来日した二人のフランス人ピアニストの活動内容と日本音楽界の反応について検証し、日仏音楽交流史上の意義について考察した。
学会発表 The music policy in the City of Paris during the German occupation (1940–44):Public concerts organized by the Inspection Générale des Beaux-Arts de la Ville de Paris (IGBA) The 8th International Conference on Cultural Policy Research 2014 2014/09 ヴィシー政権時代のパリ市の音楽政策の中より公開演奏会の企画を取り上げ、失業対策・福祉政策という性質からフランス国家の文化的宣伝という性質へと変化した実態について示した。
学会発表 The early period of the Radiodiffusion Française (1945–54) and cultural strategies on music: international exchange activities The 2nd Biennial Conference of the East Asian Regional Association of the IMS 2013/10 1945年から1954年にかけてのフランス国営ラジオ局を対象に、国際文化交流の視点から放送番組およびフランス国立管弦楽団の海外演奏旅行の実態について検証した。
学会発表 フランス第四共和政前期 (1946-54年) の音楽政策: 国営ラジオ放送におけるフランス国立管弦楽団の演奏曲目より 日本音楽学会第63回全国大会 2012/11 戦後(第四共和政期)のフランス国営ラジオ局とフランス国立管弦楽団を対象に、芸術政策方針及び演奏レパートリーの特徴について検証した。
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その他研究業績
首都大学東京 オープンユニバーシティ講座講師:「占領下パリの音楽生活」(計4回) 2015/10/24-2015/12/05 その他 単独
講演とピアノ演奏:第50回日本フォーレ協会主催研究会「フォーレの音楽を伝えた場: 国民音楽協会(1871-1939)と、その後のパリの音楽協会(-1939)」 2007/04/01-2007/04/01 芸術活動 共同
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社会活動
京都女子大学発達教育学部教育学科音楽教育学専攻主催 公開講座「近代ヨーロッパの音楽と社会~18世紀後半~20世紀初頭のドイツ・スイス・フランスの場合」 2017/11/11-2017/11/11 第2部「近代フランスにおけるナショナル・アイデンティティと音楽」講演担当
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所属学会
日本文化政策学会 2013/01-現在 国内
日本音楽教育学会 2009/04-現在 国内
日仏歴史学会 2005/04-現在 国内
国際音楽学会 2002/04-現在 国外
日本音楽学会 1996/04-現在 国内